彦野 利勝

彦野 利勝

1983年卒

愛知高校
中日ドラゴンズ(83-98)16年間
2012.2013(1.2軍打撃コーチ)
CBC解説者

OBからのメッセージ

私の愛知高校との出会いは
中学3年生の秋から冬にかけて
集中的に県内の強豪校を見学に行った際に遡ります。

当時、愛知高校が春のセンバツ甲子園出場を
決めていて活気の溢れる練習風景と、
スマートな印象のあるユニフォームだったことと、

当時ファンクラブにも所属していた
フォークグループ アリスのロゴ(Alice)と
Aichiのユニフォームのロゴが似ていたことも
決め手になり、愛知高校野球部に爽やかな印象を持ちました。

しかし、当時、特待生の話が4校以上来ていましたが、
愛知高校からは特待生の誘いがなく、

特待生の条件提示をしてくれている学校ではなく、
愛知高校に行きたかったため、両親と相談をして
一般入試で愛知高校への入学を検討していました。

すると、幸いにも
中学校の恩師が、
たまたま愛知高校とご縁がある方で繋いでもらい、
学力(中学時代は内申点40)もあったため、
一度練習を見に来てもらえることになりました。

当時の愛知高校の竹田先生に
見学に来ていただき、
しっかりアピールをしよう!と
思っていたと思っていたところ、

肩を温めて、投球練習をしようとすると、
まだウォーミングアップしかしていませんでしたが、
もう投げなくて良いと言われて、
落選したと思い落胆していたところ、

すぐに返答が来て、
特待生にて合格が決まりました。

入学後は、甲子園世代に混じり、
厳しい練習に明け暮れました。

私の時代は
入学時に約100人ほどいたメンバーが
約30人になった世代です。

投手で入学しましたが、
コントロールの問題で投手は一時休止して、
外野手に転向し、

1年生の秋から3番センターでレギュラーになり、
永井先生のノックで守備力を鍛え、秋は県大会ベスト4まで進みました。
(大府高校の槙原投手に敗退しました。)

2年春は元ソフトバンク監督の工藤公康投手率いる、
愛工大名電高校に準決勝で負けており、
2年夏の決勝で再戦を果たしましたが、
ここでも工藤投手に敗退となりました。

夏の決勝が終わり、
最高学年になるタイミングで投手に再転向しました。

入学時に課題になっていたコントロールが、
外野手をしていたことで改善していて
エースとなりセンバツ甲子園出場を決めることができました。

センバツ甲子園では、
横浜商業と対戦しましたが、
残念ながら甲子園ではボロ負けを喫してしまいます。

そして、
夏は中京高校、野中投手に敗退して、
ベスト8で高校生活を終えました。

特に私の時代は
今の時代でも語り継がれる名投手が多く在籍した時代でした。

高い壁に挑みながら
挑戦し続けた記憶は今でも大切な思い出です。

 

高校引退後は
大学で野球を続けようと思い、
愛知学院大学に合格していましたが

1982年、中日ドラゴンズからドラフト5位指名をいただき
プロ野球選手になりました。

センバツ甲子園で自信をなくしていましたが、
1学年上に在籍していた法元智至さんの父(法元英明さん)が
当時はドラゴンズの二軍監督をされており、
とてもお世話になりました。

プロに入団してから
1軍監督は近藤貞雄さん、
二軍監督は法元英明さんと偉大な監督に指導いただき、

入団後すぐに
ウエスタンリーグで開幕から1番センターにて出場を重ね、
3年目で1軍に初出場しました。

5年目から開幕一軍になり
初めは代走や守備要員でしたが、

ちょうど私のプロ五年目は星野仙一監督の
就任1年目で、

「元気のよい、若い選手はいないか?」ということで、
中村武志、仁村徹さんたちと星野監督の目に留まり、
強化選手になりました。

当時はまだレギュレーではありませんでしたが、
開幕10日ほどで
レギュラー選手の長期離脱で出場になり、
そこから徐々に出場機会を増やしていきました。

通算965試合に出場させていただき、
様々なドラマに関われたことは今でも財産となっています。

引退後は現在もCBCの解説者として活動しています。

愛知高校の野球部の皆様へは、

元々自由な校風で、
軍隊風土の薄い野球部でしたので、

現在も自由度の高い、
伝統が守られており、
とても良い環境かと思います。

また、全員に練習をさせる風習があり、
選抜メンバーのみに練習を与えるのではなく、
平等にチャンスが与えられる環境で野球を通して
人間教育をしてくれることが
私が在学中に感じたこの部活の良さでもあります。

愛知高校からプロへ行き、
愛知高校出身で良かったことは、

地元出身なこともあり、
愛知高校の卒業生がたくさんいて、
野球部以外でのつながりが幅広く、
大切にしてくれる人がとても多かったことです。

「愛知高校出身」というだけで
野球部に関係なく
大切にしてくれる方が多くいることは
とても心強いことです。

今は指導者資格をとっていますので、
現場の監督やコーチへの指導を、
年に数回ほど行っています。

高校野球は様々なシーンで変化が起きていますが、
特に大切なのは、
どこにモチベーションを置くか?だとおもいます。

同じチームの仲間で、
何人が甲子園い行きたい!と思えるかがとても大切です。

ぜひ、在学中の皆様は、
全員の力を合わせていただき一致団結して
まずは愛知県ベスト8を目指していただき、

久しぶりの甲子園に
連れて行っていただけると嬉しく思います。

残りの人生で、
あと1回は愛知高校が甲子園で戦う姿を見たいです。

みなさまのご活躍を心より願っております。